50th Anniversary Project
50周年プロジェクト第2弾

当園では、創立50周年プロジェクトの一環として進めてまいりました「ドリームランド」および「階段エリア」のリニューアルが、2024年末に完成いたしました。

2024年度より掲げた新しい保育理念「一人ひとりの生きる力を育み 感動で未来を描く」
この理念のもと、子どもたちの感性や創造力をより豊かに育むための環境づくりに取り組んでいます。
今回のリニューアルでは、アートディレクターの森本千絵さんをお迎えし、子どもたちが日々ふれる空間を、感性豊かで夢の広がる場所として新たにデザインしていただきました。

森本さんは、Mr.Children、松任谷由実、Official髭男dismなど、数多くのアーティストのアートワークやミュージックビデオを手がけてこられたほか、NHK「いないいないばぁ」ではキャラクターデザインや舞台美術も担当されています。国内外で活躍される森本さんが描く世界観が、園に新しい彩りを添えてくれました。

完成した新しい空間では、子どもたちが毎日わくわくしながら過ごし、自由に発想を広げられるような仕掛けが随所に散りばめられています。
これからも、子どもたちの「生きる力」が育まれていく場であるために、環境づくりに工夫を重ねながら、心動かす出会いや体験を大切にしてまいります。

森本千絵 / Chie Morimoto

アートディレクター / クリエイティブ・ディレクター。
武蔵野美術⼤学客員教授。

⻘森県三沢市⽣まれ。武蔵野美術⼤学卒。
1999 年博報堂⼊社。2007 年株式会社goen°設⽴。
博報堂在籍時から広告のグラフィックやCM制作のほか、商品企画、パッケージデザインなどを幅広く担当。特にMr.Children、松任⾕由実、Official 髭男dismなど、ミュージシャンのアートワークやMVの制作が多く、また、⼭⽥洋次、是枝裕和ら映画/演劇系の宣伝美術なども⼿がける。

社名のgoen°は「ご縁」から来ており、⼈や商品との出会いを⼤切にし、そして新しく創り出したいという想いが込められた。⼈や商品を最⼤限に魅⼒化するのが⽬的であり、案件ごとにアプローチが変わるのは⾃然なことだとする社⾵のため、アウトプットするメディアや作⾵、規模等は様々である。

現在は広告の企画演出、商品開発、装丁、映画・舞台の美術、地域再⽣プロジェクト、教育デザイン、動物園や保育園の空間ディレクションなど、業態や領域にとらわれずに、あらゆる形のコミュニケーションデザインを⾏っている。

また、2023年4⽉からNHK「いないいないばぁっ!」のキャラクターデザインを⼿がけており、2027 年国際園芸博覧会のアドバイザリーも担当している。

【受賞歴】
N.Y. ADC 賞、ONE SHOW、朝⽇広告賞、アジア太平洋広告祭、東京ADC 賞、JAGDA 新⼈賞、SPACE SHOWER MVA、ADC グランプリ、⽇経ウーマンオブザイヤー2012、50th ACC CM FESTIVAL ベストアートディレクション賞、伊丹⼗三賞、⽇本建築学会賞、第4回東奥⽂化選奨賞など。

【著書】
「MORIMOTO CHIE Works 1999-2010 うたう作品集」
「アイデアが⽣まれる、⼀歩⼿前の⼤事な話」など

1 ドリームランド

ここには、たくさんの「はじめまして」がある。
見えるものが全てはじめての気持ちで受け止める。
たくさん想像して、気持ちがたくさん揺れる。
そんな余白がとても大事な時期だと思います。
私たち大人は色の名前、人の気持ちを言語化して整理してしまいます。
本当に大切なことは、自分で感じて考えて伝え合うことです。

ここにある色は、重なり合い新しい色を生み出します。
大きな窓から入る光が当たる場所。
つまり天気や時間によって見え方が変わります。
手で回して、色が変わります。
身体を使って発見していくのです。

本棚の上も、色の窓を動かすことで重なり合い表情を変えます。
こっちと、あっちで色は変わります。

全てが一期一会です。手のひら上での与えられた教材は正解ではなく、
みんなでこの瞬間を全身で感じ取り発見していくことが大切です。

まさにここは、大きなパレットです。
好きなように動き、新しい色に出会い、共に描いていきます。

生きていくことは、限りなく広いキャンバスに絵を描いていくようなことです。
そのはじまりとなる場所であることを願って
ここを「ドリームランド」とよんでいます。

みんなのワクワクが健やかに育つように
これからも沢山のパレットを用意させて下さい。

森本 千絵